片恋キックオフ





*****





———ピーッ





ホイッスルの合図で試合が終了した。
結果は3対1で、わたしたちの高校が勝った。





たとえ練習試合だとしても。
わたしたちの高校はみんな勝って嬉しそう。





「そういえばさー、城川くんは大丈夫なのかな?」




「…う、ん…。
大丈夫だといいけど…」





杏里の問いかけにうまく返事ができない。
顧問の先生が湊くんの足を見たとき『かなりひどい怪我』って言ってたから。





…でも大丈夫。
歩けるみたいだし、そう信じたい。





「じゃあ、帰る?」




「そうだね!
…あ。 湊くんにひとこと行ってきてもいいかな?」




「うん!行ってきな!

あたし、待ってるから」




「ありがとうっ」





わたしは杏里に笑顔を見せて、わたしたちの高校が集まるベンチの端で足を見つめて俯いてる湊くんのところに行く。





……大丈夫かな?
なんだか、すごく暗い。





サッカーをするのに足は大事だもん。
そりゃ、いくらひどくなくても傷つかないわけがない。




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