片恋キックオフ





「藤宮! 復讐できたよ!
すごい活躍だったな!」





相変わらず口調は少し男みたいな天田先生。
だけどすごく嬉しそうだ。





「あの、天田先生…!
わたし、続けてもいいですか?

みんなと戦えてすごく楽しくて。
今度は公式試合で倒したくて」




「当たり前じゃない!

ぜひ続けて!
みんなもそう思ってるだろ?」





天田先生の言葉にみんな当たり前のように頷いた。





それが嬉しくて、また目からポロポロと涙が零れてきた。





「ふぇえ…、ありがとう…ございま、す」




「もう! 瑞姫ってば泣きすぎなのよ!」





蘭ちゃんが笑いながらわたしの頭を軽く小突く。





「で、も…っ。
みんなで戦えて勝てたし。


なによりも…。 勝ち負けなんかよりも、みんなと一緒にプレーができて嬉しかったんだもん…っ」





拭っても拭っても、涙は零れる。
嬉し泣きなんだもん、許してよ…。





「強くなったね、瑞姫」





泣いてるわたしの頭を優しく杏里が撫でた。





…強く? わたしが?





「前まではオドオドしてたけど。
いまは、すごく強くなったような気がする」




「そ、かな…?」




「まあ、泣いてるけど。
それは嬉し泣きだもんね?」





ふわっと笑った杏里の言葉にコクンと頷く。







もしかしたら。
仲間がいて仲間と一緒に戦って。
少しは成長できたのかな…?





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