赤と青の恋
「六年前うちの家族は
お父さんが友達の借金の保証人になって
その人が失踪しちゃって
家族崩壊寸前だったの」
「…うん」
「毎日、お父さんとお母さんが喧嘩してて
怖くて私はいつも怯えてた
でも、ある日の朝お父さんが穏やかに私を動物園に誘ってきて、私はただ嬉しくて」
「お母さんも笑ってた3人でお弁当を食べてね
ああ仲直り出来たんだ良かったって思った」
「だけど次の日お父さんが居なくなってた、お母さんは泣いてて私は子供ながら、大体の検討はついたんだ」
「私が動物園嫌いな理由はそこにあって
あの時も此処に来て、そしてアオが居なくなったらどうしようかなって
そう思うと苦しくて仕方なかった
私が勝手に考えこんでいるだけかもって自分に言い聞かせても無理で
…あれ何でこんな話してんだろ…ごめん」
そう言って茜は立ちすくみ泣いた。