Candy House
「んもー、何よー!」

おかげでスーパーマーケットで買ったばかりの野菜とお肉が散らばっちゃったじゃないの!

姿が見えなくなってしまった当人に向かって心の中で毒づくと、散らばった野菜とお肉をエコバックに入れ直した。

幸い、あたしはしりもちをついた程度で済んだけど、もしケガ――例えば、ねんざや骨折――していたらどうしてくれるんだと言う話である。

それよりも、
「何をそんなに急いでいたのかしら?」

見たいテレビ番組でもあったのだろうか?

世の中の急いでいる人全てがそんな理由ではないと思うけど。

あたしはエコバックを持ちあげると、
「今日は豆腐ハンバーグにしようかしら」

家路へ向かった。
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