Candy House
自転車で急いで病院に駆けつけた時には、もう手遅れだった。

祖母の顔にかかっていた真っ白な布で、あたしは全てを理解せざるを得なかった。

死因は、くも膜下出血。

本当に、突然の出来事だった。

祖母の葬式は、火葬だけで終わらせた。

呼ぶ人がいなかったから、と言った方が正しいかも知れない。

父方の親戚は父親が亡くなって以来、全くと言っていいほど交流していない。

母親も1人っ子で、当然のことながら親戚はいない。

祖母の葬式が終わったその日から、あたしは天涯孤独となった。
< 3 / 370 >

この作品をシェア

pagetop