Candy House
テーブルのうえに置いてあった今日の晩ご飯に、あたしは絶句するしか他がなかった。

「どうした?」

安部さんは何でもない、むしろ当たり前と言うようにフォークとスプーンを使って山盛りパスタの小分け作業をしていた。

昼ご飯はナポリタンで、晩ご飯は…ベーコンとしめじの和風パスタだった。

「あのー…」

あたしはこたつに入ると、安部さんに話しかけた。

「ご飯は、いつもパスタなんですか?」

そう質問したあたしに、
「俺、パスタしか作れないんだよね」

安部さんは答えた。

「う、上野さんは…?」

続けて質問したあたしに、
「俺は料理ができない」

上野さんが現れて、テーブルのうえに3本のグラスとチューハイを置いた。

どうやら、お酒を取りに行っていたらしい。
< 30 / 370 >

この作品をシェア

pagetop