Candy House
子供の頃に両親が交通事故で亡くなって、それまであたしを育ててくれた祖母も去年の暮れに亡くなった。

家族もいなくなったうえに、頼れる友達もいない。

お金も後少しで底をつく寸前で、あたしは1人ぼっちだった。

1人さ迷っていたところを出会ったのは、雑貨屋『キャンディ・ハウス』の2人の店主だった。

最初は戸惑った。

愛することも愛されることも知らなくて、どうすればいいのかわからなかった。

今はもうすっかりなれちゃったけど、あたしは2人とずっと一緒にいたいって思ってる。

2人のためにご飯を作って、2人と笑いあっていたい。

ケンカは…今のところはしたことないけど、したとしても翌日には仲直りをしているかも知れない。

――あたしたち3人がずっと一緒にいて、笑いあっていますように。

あたしの願いを込めた線香花火が、ジュッと小さな音を立てて燃え尽きた。

☆★END☆★
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