手をのばす
蜜のよう
その夜から、沢渡との関係が始まった。

週に2、3度、私の部屋へ泊まっていくようになった。

朝沢渡を見送り、急いで出勤の準備をする。


これまで一人のペースがすっかり出来上がっていたけれど、それでも沢渡に「またね」と手を振っていると幸せがこみあげてくる。



沙耶には普段どおり接していた。


この前ついきついコトを言って気まずいかと思ったけれど、沙耶が何もなかったように振舞ってきたので、私もあやまるタイミングを逃してしまっていた。
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