手をのばす
次の日も相変わらず仕事はめいっぱいの忙しさだった。

無我夢中でパソコンのキーをたたいていると、瞬く間に定時を知らせる鐘が鳴る。


今日はきりのいいところで帰ろう。

それで沙耶を食事にでも誘おう。

週末はともかく、平日はちょっと沙耶に寂しい思いをさせているし・・・・・・。


そう思いながらさらにキーを打つ手を加速させていると、デスクの脇に置いている携帯がぴかぴかと光りだした。

体を横にずらして覗くと、新着メールが届いている。


『今日は用事があるので帰ります。おつかれさま!!!』



沙耶からだった。

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