『エレベーター』from The Eleveter
それまでのベテランの仕事ぶりは完璧だった。赤と白や、緑や金とかのブービートラップでも冷静に線を辿っていきペンチで切っていった。それだけでなく、この2つの爆弾は、先に処理した65個の爆弾と比べると遥かに高度な代物だったのだ。周りで見守っていた者達は一様に自分だったら冷静に、そして確実にこの暗い中、爆弾を処理出来ただろうか?いや出来ないだろう。これまで意識が警察署でのSFまがいの出来事にいっていたリック・ハワードだったが、徐々に減っていくデジタル数字。そして、この緊張感。今は爆弾に意識が向いている。

「ハンマー。」ケヴィンが言う。

リックが手渡す。持ち手は汗でびっしょりだった。

赤の液体が入っている方の筒を叩きだした。ガンッ!ガンッ!強くハンマーを振り下ろした。ヒビが入り液体が漏れだした。

その途端周りの者達は一気に空気を吐いた。

もう1つのエレベーターからもガンッ!という音が響いてきた。そして、一気に空気を吐く音も。
< 40 / 41 >

この作品をシェア

pagetop