笑わない王様
「ねえゆず、大丈夫?顔…」
泣き出しそうな顔をしながら、深月が私の頬に触れた。
「う、うん!大丈夫!ごめんね、変なのに巻き込んじゃって」
「ゆずが謝る必要ないよ。あいつら、本当最低だよね」
天使のような笑顔をする深月には考えられないくらい暗く、憎しみを込めた顔をしていた。
「うん…。あ!授業!急ごうっ」
私にはわかならい。
わざとなのか無意識なのかはわからないけど。
人のことを平気で傷つける人の気持ちが…。