永久に愛を誓う
嫉妬

祭から数日後、屯所内では小さな宴が開かれた。また、隊士が少し増えた為、彼らの歓迎会だ。
千花は医務室でまだ仕事があったため、早めに切り上げてきていた。
医務室で仕事をしていると、襖をトントンと叩く音がする。誰か酔いすぎて気分が悪くなったんだろうか?
「はいはい。」
といって襖を開けると斎藤で、そのまま部屋に入ってくる。
斎藤さん?と声をかけても、斎藤は無言だ。取りあえず座ってくださいと促し、座布団をだす。座ってからも無言の斎藤に千花が
「どこか具合でも悪いですか?」
と聞くと、
「…んで………………」
こえが小さくて聞こえない。何ですか?と近寄ると、
「なんで、総司は名前で呼んで俺は呼んでくれぬのか?」
と言いながら斎藤に抱きしめられた。
「さっ、斎藤さん?」
とっさにいつもの呼び方をして、さらに斎藤は気を悪くしたようで、そのまま押し倒される。
びっくりして斎藤を見上げると、ほんのり赤い顔が近づいてくる。
「ち……か……。」
重なった斎藤の唇からは、お酒の味がした。
「っ。はっ。」
唇が離れると、斎藤は千花の首筋に顔をうずめ、右手で着物の上から胸に触れる。
「あっ。」
甘い刺激に声がでた。
「はっ、じめさん。」
千花は呼びかけるも、反応がない。むしろスースーと安らかな寝息が聞こえる。千花の上で斎藤はねむりについたらしい。
さっきの様子もきっと酔っていて大胆になっていたのだと千花は気づく。
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