君に咲く花火
「んとね、なんか時間を気にしなくていいのが好き。起きるときも、出かけるときも、寝る時も時計のことなんてあんまり考えないの。これって日本だと考えられない」

そう言うと、ソムサックは白い歯を見せてニッと笑って見せた。

「それにね」

私は続けた。

「物価が安いよね。デパートとかはさすがに高いけど、たとえばジュース1本買うのにも、30円とかでしょ。お金のこともあんまり気にしなくていいから楽しい」

「はは、なるほど」
顔をくしゃくしゃにして笑うソムサックはとてもうれしそう。

私なら、日本を褒められてもこんなにうれしそうにはできないだろうな・・・。

「ずっといたいな。ここに住みたいくらい」

「いいね。そうしなよ。実羽ちゃんの部屋は、ずっと実羽ちゃんだけの部屋にするから」

そう言ってウインクをして見せた。

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