君に咲く花火
鉄格子をたどっていくと、ふたのついた便器があった。

そして、その少し横に扉があった。


ガチャガチャッ。


引いても押しても鍵がかかっていて開かない。

「・・・どうしよう」

その場に座りこむ。

カバンも携帯もウアンが奪ったらしく何もない。

そのまま横になると、天井の電球をぼんやりと見た。
あれからどれくらいの時間たったんだろう?

外の光が入らないここは、おそらく地下なのかもしれない。

「お姉ちゃん、心配してるだろうな・・・」

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