君に咲く花火
202号室の鍵を開けると、スーツケースを中に入れてくれる。

「へぇ」

部屋は8畳くらいの大きさで、ベッドと小さなデスクがあるくらいでシンプルだった。

「トイレとバスルームはそこのドア」

「はーい」

「水道の水は飲まないで、お腹痛くなる。そこのミネラルウォーター使ってね」

見ると、洗面台の上にビンに入ったミネラルウォーターが2本置いてある。

「ねぇ、お姉ちゃんは?」

早くお姉ちゃんに会いたかった。
てっきり空港まで迎えに来てくれると思ってたのに。

「果凛は仕事。夜には戻ってくるよ。それで僕がお願いされたんだ」

「ふうん」
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