一生に二度の初恋を『あなたへ』


『お前なんか生まれてこなきゃ良かった』


あぁ、もう今思い出すなんて……最悪だ。

わたしが言われたことじゃないし、春さんが自ら言った『生まれてこなきゃ良かった』という言葉。

全然……わたしには関係ないよ。



「大丈夫か⁉︎」

「ごめんなさい気にしないで、えっと……病気とかじゃないから。ただ頭痛が酷いだけだから…」


「とりあえず座る?保健室連れて行こうか?」

「ううん、大丈夫」


「高梨、無理すんなよ?」



『お前なんか生まれてこなきゃ……』

頭に響いた思い出したくない言葉は斎藤くんの心配そうな声が消してくれて、頭痛も徐々に引いていった。


今はただ必死に考えないようにしたくて、何とか平然を装った。


すると斎藤くんの心配そうな顔は少しほっとした顔に変わって、向かいに座った。


「……俺、高梨に謝らないといけない」

「え?」

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