天才さんと電脳少女
クラスが張り出されている掲示板にはまだまだ人が集っていた

比較的に…いや、女子と間違えられるほど背の小さい僕があの中に入って無事でいられる保証なんてどこにもない

むしろ皆無だ

考えても見てほしい、僕の倍は有るんじゃないかと思えるほどの身長の人や横に成長している人、何やらぶつかった人に怒鳴り散らす人など…

うん、僕には無理だよお母さん

『ご主人さまご主人さまっ』

耳にはめたイヤホンから元気な声が聞こえる

別に電話をしているわけではない

ならこの声の主は誰なんだと思うでしょう?
だーれだ

『クラス割見に行かないんですか?私は見たくてうずうずしてますよっ!!』

はい、ふざけてごめんなさい
答えはこの子です

僕の携帯には電脳少女が写っていた
薄桃色の髪はツインテールにされて、おっとりとした雰囲気を放つタレ目の瞳も髪と同様の薄桃色
一見大人しい文化系の少女と思いきや、実はバリバリのスポーツ系です


「ハルは見に行ってもいいよ?僕は後でいいから…」


『ご主人さまを一人に出来るわけないからここにいるんじゃないですかぁ』


ハルは少しすねたように両手を上下にさせながら抗議する
それもそうか、彼女にはそうプログラミングされているのだから


「ごめんね、人がいなくなったら行くから…」


『むぅ…早く人混みよ去れぇですぅっ』


彼女…ハルを作ったのはこの僕だ
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