劣等審判
「長崎さんは滋賀の死を望んでたんすよ。なのに…なのにこんなにも酷くなるのって可笑しすぎないっすか?」


「言われてみれば…な」


千葉が頷いた。


皆何言ってるんだ。葵さんが悪人なわけ無いだろう。葵さんが…。


「困ったなぁ…」


山口が頭を抱えている。


「正直。私も長崎だと思う。」


「宮城も…そんなっ…」



聞いているだけで辛くなる。まるで自分の悪口を言われているような気分になる。


「っ…ヮたジ」


「葵さん!!」


葵さんが目を覚ました。


「ヮたジ…悪クないョ。」


やめて。僕まで辛くなる。


───ヴーヴ、ヴ。



スマホが鳴った。皆一斉に。
< 54 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop