psi 力ある者 愛の行方 


そっと抱きしめられ、私へと愛情を流し込んでくる。
陸とは違うその優しさと、愛に満ちた心。
柔らかな日差しのように包み込む抱擁。

泉の流し込む感情に、落ちていきそうな自分がいる。

「未知……。俺と一緒にいてよ……好きなんだよ……」

抱きしめたまま耳元で囁く想いに、感情が揺さぶられる。

泉は、今こうして私のことを抱きしめているように、ずっとずっと離したくないんだ。と想いを流し込んでくる。

そうやって感情を露にした後、泉はゆっくりと体を離し、私と同じ目の高さまで体を曲げた。
首を少し傾け、覗き込む瞳。
ゆっくりと泉の顔が近づいてくる。

トクトクと奏でる泉の心臓が、私の心に届いてくる。

私の頭を支えるように右手を添え、顔が近づいてくる。


ゆっくり


ゆっくり……


愁いを帯びた瞳に、私は瞼を閉じた。

「みち……」

小さな囁きのあと降りてくる唇――――…


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