チャンスの神はここにいる
はいラスト。それから一年経ちました。


テレビ局の喫茶店は
色んな人がいっぱいで面白い。

白塗りの芸人さんから
ふんぞり返る大御所の俳優さん。

さりげなく密会中?の、女子アナとタレント。
独特のメイクとヅラでコーヒーを飲むものまねタレント。

キョロキョロと落ち着きも無く、観葉植物越しに見てしまう私。

「人の話を聞け」
俺様ドS大魔王が正面で怖い声を出す。

「だって有名人がいっぱい」
早口で言うと

「お前もタレントだろボケ」
純哉君は本気で怒る。

あーはいはい。わかりましたよ。
私は背中まで伸びた髪をひとつでまとめ、カフェオレに口をつける。

ここのテレビ局のカフェオレは美味しい。
毎日でも飲みたいぐらい。

先週飲んだパリのカフェでのコーヒーを思い出す。
本物のコーヒーが
あんなに苦くて黒いとは思わなかった。
水と一緒に飲んだもの。
ネスカフェバンザイ。

写真集撮影で出かけたパリ。
グラドルなのに
なぜかパリ。
毛皮のコートの下にビキニを着て、セーヌ川のほとりで撮影。
天才売れっ子カメラマンのオファーはどっか変。
その意図がわからないまま
撮影は終わる。

「……怒るぞ」
純哉君のこめかみがピクピクしてます。

「もう怒ってんじゃん」

「話を続ける……」

無視かよ!
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