完璧上司は激甘主義!?
潔癖上司を落とす方法
「南課長、よかったらどうぞ」

彼専用のマグカップ。
きちんと整理整頓されたデスク中央より、斜め四十五度の角度がいつものベストポジション。
もちろんカップを置くときは、珈琲が零れないよう細心の注意を払う。
そして必要以上に彼のデスクを触ったりはしないこと。これ、一番重要だったりする。

いつもだったらここで南課長は一切私を見ることなく、仕事をこなしながら業務的にお礼を言う。
でも今は違う。

「ありがとう」

返ってくる言葉は同じ。
でも、ちゃんと私を見てくれる。
みんなに気付かれないよう、そっと微笑んでくれるんだ――……。





「では麻帆の片思いが実ったことを祝して、かんぱーい!!」

「かんぱーい!麻帆おめでとう~!!」

南課長と両想いになれて約一週間。
一応社内恋愛となるわけだし、話していいものか相談をしたところ、未希と斗真に話すことに了承をもらい早速ふたりに相談したところ、私以上に喜んでくれてそして今日、やっと時間が合いこうやってお祝いの会を開いてくれた。
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