カウント・ダウン
開けっぱなしの引き戸をくぐって薄暗い店内に入った。
…誰も居ない。
奥からはかすかにテレビの音が漏れている。
狭い店内には、うっすら埃をかぶった日用品が少しと、調味料、手前の棚にコンビニでも手に入るパンが少し。
懐かしい駄菓子やオモチャなんてもちろん無い。
ガッカリしながらも二つほどパンを手に取り、ワイドショーの音が漏れる奥の座敷に呼びかけた。
─ごめんくださーい!
面倒臭そうにヨロヨロと出て来たのは、優しい老婆なんかではなく、金歯の光る疲れた顔の太った中年の女だった。