私に意味を。
・・・ああ。

まあここは、私が皆が部活してる時に掃除してるし。

基本誰も使わないから、結構綺麗だ。

・・・にしても。

教室に入って早々、衛生的な綺麗を確かめるなんて。

よっぽどの変わり者だわ。

「まあ、綺麗よね。・・・お昼、食べないの?」

「あ、食べる食べる。」

そう言って、机に座る及川君。

私は、その向かい側に座った。

「いただきます。」

「・・・いただきます。」

意外、かも。

中学生になって“いただきます”ってわざわざ言うのは私くらいだと思っていたから。

ちょっと、意外。

「・・・。」

・・・何を話せばいいんだろう。

まあ、誘ったのは及川君だから、私には関係無いんだけど。

でも、向こうも無言だし。

というか、食事に会話なんて必要なの?

でも、教室では皆よく話してるし・・・。

でも、及川君は静かに食べたいのかも。

うん、多分そうね。

だから私を誘ったんだ。

・・・ん?

あれ?

静かに食べたいなら一人で食べればいいのに。

何で私を誘ったんだろう?

「・・・ぷっ。あはは!」

「・・・え?」

ちょ、何々?!

いきなり笑い出したんだけど?!

「鮎川さん、ずっと百面相してるからっ・・・ぷっ、あはは!」

「あ、あはは。」

嘘でしょ・・・。

私、そんなに変な顔してたんだ。
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