【完】私なりの愛のカタチ。




「…今は眠っていますよ」


答えたのは圭ちゃんではなく、
圭ちゃんを担当してくれた医師だった。



「…ということは…」


「一命は取り留めています。
では病室へ向かいますので、
ご一緒にどうぞ」



私は医師に言われるがままに
看護師さんたちの後ろをついていった。




「また後ほど様子を見に来ますね」



そう言って看護師さんたちを引き連れ、
医師は自分の持ち場へと戻った。



私と圭ちゃんだけになった病室。




お互いの心臓の鼓動でさえ
聞こえてしまいそうなほど静かな病室だった。





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