君はまるで桜の花弁
第三章

久しぶりの学校か...

そんな事を思いながら登校していた
すると後ろから大きな声で名前を呼ばれた

「黒澤ー!!」

名前を呼んだのは俺のクラスメイトだ

「なんだよ、朝からテンション高いな」

「お前は低いな!そうじゃなくって、
さっきすげー色白くて可愛い子が居たんだよ!」

「へー」

「朝からいいもん見れた!」

「そうか」

心底どうでもいいなと思いながら歩みを進めた

「なんか探しもんしてるみたいだった」

「探し物?その子何処に居たんだ?」

もしかしてなんて思った

「人通りの少ない神社あるだろ?」

「神社?」

俺が昨日行った場所は神社だったのか?

「神社っつっても小さいからなー」

成る程、俺が神社と知らなかっただけで
昨日の場所は神社だったのかもしれない

「桜の木があるところ?」

「あ、そうそう!そこの桜の下で何か探してたけど
もしかして知ってんの?その子のこと」

「どうだろなー...」

確信するのはまだ早い

「もし探しもんに心当たりあるなら
持ってってやれよ、結構必死ぽかったし」

「あ、あぁ...」

「なんなら俺が持ってってやろうか?」

なんてドヤ顔で行ってくる

「いや、いいよ」

俺は学校とは反対方向の道へと足を速めた

「今から行くのか?!」

「だって必死だったんだろ?」

「学校サボんのか?」

「途中から行く」

そう伝えて走り出した











結構走ってやっと神社に辿り着いたが
もう、女の子は居なかった

「あー、クソッ」

遅かったか

きっとまた入れ違いになるだろうと思って
俺は桜の下に簪を置いていく事にした
メッセージを付けて

【すみません、此処で簪を拾った者です
友人に女の子が探し者を此処でしていたと聞いて
急いで持ってきたのですが、
入れ違いになってしまったようで...
置いていきます、勝手に拾ってすみませんでした】

「これで大丈夫か...」

紙の上に簪を置き俺はまた学校へと走った


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