Misaki-Forever

「美咲!」

一斗は大きな声で叫び走り寄った。


「美咲、ごめんな俺どうかしてた」


一斗は美咲を抱きしめた。

「一斗…探してくれてありがとう、でもね私もう
ダメみたい」

美咲は一斗の手から
ゆっくり離れた。

「何がダメなんだ」

「私、一斗のこと何も知らないし聞こうともしなかった
目の前にある幸せだけを信じたかったから
でも愛するってことは
それだけじゃないよね
お互いの全てを見ないといけない
今の私は、全てを受け止める自信がない」


「今から全て話すよ」

「ううん、何も知らない方が良い時だってある
私に少し時間をくれないかな?」

美咲は無理矢理、笑ってみせた。

「何言ってんだよ
俺は美咲が居ないと…」

「一斗なら大丈夫、そして私も
また明日から笑って話せる友達になれる」

「友達って何だよ別れるつもりなのか?」

「…今日は、もう帰るね」

「美咲…俺達もう…ダメか?」

一斗は俯き美咲を見ることができなかった。

「一斗は強いから大丈夫…また明日ね」

美咲は立ち上がり一斗を振りきるように
走って公園を出た。

一斗は身体を震わせ泣いた。


“俺は強くない…美咲ごめん"




< 70 / 297 >

この作品をシェア

pagetop