初恋はカフェ・ラテ色
「心春、昨日は遅かったのね?」

心臓が口から飛び出るくらい驚いた。

「そ、そう? たしか23時過ぎだったと思うよ」
「そんなに遅くまでなにをしているの?」

気まずい一言だった。

「そんなに遅くないでしょう? それに順平さんと結婚しろだなんて言われて、早く帰って来られるわけないよ」
「嫁入り前の娘なんだから早く帰ってきなさい」

お母さんまでも時代錯誤、話の分からない親になってる。

「私にだって付き合いってものがあるのっ。もう23歳なんだし、あれこれ口出されたくないから。ごちそうさま!」

お皿をシンクに運んで2階の自分の部屋に入ると、ドアを後ろ手にしめながらほうっと息を吐く。

親って意外と鋭いんだよね。もしかして、私の様子が変に見えるのかな……。


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