初恋はカフェ・ラテ色
「なんか元気になったみたい? もう解決したの?」
「え……っと、まだ解決はしていませんが、がんばろうって気合を入れていたところです」
「気合かぁ。ガッツポーズしているところばっちり見たけどね」
「見られちゃいましたか」
「急にやるからびっくりしたわ。あ、呼ばれてる。行かないと。じゃあね」
「はいっ」

呼ばれた声に里佳子先生が教室を出て行き、私は片付けを再開した。


翌日、ひとりで朝食を食べていると工場から順平さんひとりがやって来た。

「おはようございます」

順平さんはハチマキにしていたタオルをとると近づいてきた。

「お……はようございます」

お父さんの姿を順平さんの後ろに探す。

順平さんはひとりだった。

「心春ちゃん、今日仕事が終わったら時間を作ってほしい」
「えっ? 時間ですか?」
「1時間くらいでかまわないんだ」

順平さんはいつになく硬い表情で、結婚の話なのだろうと示唆する。

ちゃんと順平さんに断らなければいけない。

「18時に職場のある駅前のファミレスでいいですか?」
「はい。そこに行きます」

順平さんは約束すると工場へ戻って行った。

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