一途な彼は俺様モンスター
電話の相手は、空翔さんだった。




『ああ…楓雅と急に残業になって……』

「そうですか…わかりました!頑張ってくださいね」

『つーか平気?お前とバネを、夜に2人きりにしとくのは心配なんだけど…真由子も今日は遅いんだよな?』

「大丈夫ですよ!真由子さんは今日遅番なので、帰ってくるのは朝方ですけど…」

『うーん…』


心配そうな空翔さん。




「大丈夫です!バネちゃんもいるし、家にいるんだし…」

『…まあ、そうか…でもなるべく早く帰るから、絶対に外に出たりすんなよ』

「わかってます」

『帰るときまた連絡する』

「はい!待ってます」


スマホをそっと耳から離し、電話を切った。





とりあえず、おかずは小分けにしてラップしとこうかな…


私は立ち上がり、キッチンへ小皿とサランラップを取りに行った。

すると、部屋からバネちゃんが出てくる。






「…バネちゃん?」


バネちゃんはフラフラして、顔が赤くなってる。






「大丈夫デス…なんでもないデス」

「どうしたの?」


バネちゃんに近づき、額に手を当ててみると…








すごい熱…!




「大丈夫!?」


私はバネちゃんを抱え、すぐに部屋のベットに寝かし体温計で熱を測った。

熱は結構な高熱だった。






カラカラ…

きゅっ



氷を入れた水でしぼったタオルを、バネちゃんのおでこに乗せる。

バネちゃんは辛そうに息をして、眠っていた。




モンスターは熱が出たら、どうしたらいいのかな…

人間と一緒で、こうやって冷やして大丈夫なのかな?


薬は?

病院に行かせるべき?



全然わからない…




真由子さんに聞いとくんだった。



後悔しつつも、そらからしばらくバネちゃんの部屋で様子を見守る…しかし…
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