愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 西島さんは私の存在を無視して、男3人で談笑している。

 誉とはかなり親しいようだ。

 片山くんのこともファーストネームで呼んでるし、ただの上司と部下という関係でもなさそう。

 それにしても無駄にイケメンの多いっていうか、イケメンしかいない部署って。

 お局がこの事実を知ったら、自分が異動してくるんじゃないだろうか。

 私がみんなの輪に加わることなく雑務をこなしていると、片山くんが声をかけてくれた。

「瑠璃さん、温かいうちに食べましょう」

「颯はさっさと帰ったし、遠慮しないで食べて。特にケーキは気に入ると思うよ」

 誉がシャンパンを私に手渡し、意味深に微笑む。

 ケーキ?

 片山くんがケーキの箱を開けると、そこに現れたのは特注したとしか思えないほど、デコレーションの見事なケーキだった。
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