愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
「瑠璃さんていうんだね。可愛い名前。僕は片山聖です。よろしくね」

 彼は微笑むと、問題の扉の前に立った。

 すると、扉はすぐに開く。

「これね、画像認識で開くから身分証は意味ないんだ。あとで瑠璃さんの写真撮ってデータ加えておくね」

「メガネしたままでも大丈夫?」

「メガネとかヒゲとかで人を識別する訳じゃないから大丈夫だよ。それにしてもすごい格好だね。どこの事務員のおばさんかと思ったよ」

 片山くんはクスクス笑う。

「セクハラオヤジ対策用だったんだけど、必要なかったみたい」

 私はメガネをとって苦笑する。

 確かに逆の意味で気合い入れすぎたかもしれない。

 タートルネックのシャツにワンサイズ大きめのパンツスーツは修道女以上に肌の露出はない。
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