愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 有栖川家が嫌でアメリカに行ったのに、何故彼は日本に戻ってきたのだろう。

 しかも、何で子会社にいるの?

 考えれば考えるほどわからない。

「僕としてはあなたにトップに立ってもらいたいんですけど」

「お前に俺の将来決められるなんてごめんだね」

「じゃあ何で有栖川に戻って来たんですか?」
 
「守りたいものを守る自信がついたからかな」

 誉はフッと微笑すると、成宮を放置して私を抱き上げたまま歩き出す。

「ねえ、もう大丈夫だから。ね、下ろしてよ」

「大人しくお姫さま抱っこされてれば?」

「嫌よ、恥ずかしい」

「ところでお前、胸の健診定期的に受けてるの?」

 急に誉が話題を変えて、真剣な表情で聞いてくる。

「・・・・」
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