愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
「瑠璃、無茶するな。身体も熱い。熱あるんだろ?」

 誉だった。

 多分、車を駐車していたのだろう。

 西島さんとは少し遅れて現れた。

「仕事しくなくちゃ」 

 誉に訴えるが、彼が私を下ろす様子はない。

「瑠璃だけが抱え込むことはない。聖や颯にも仕事ふっていいんだから。今日はもう家に帰るよ」

 誉は周囲の目を気にせず、スタスタと歩く。 

「ねえ誉、私から生まれる子供は私みたいな先天性心疾患になる確率が普通の人より高いの。私、生まれてこなきゃよかったのにね」

 嘲らずにはいられない。

「何へこんでんの。そんなの数パーセントの話だよね。みんな何かしらリスクはある。ここでうじうじ悩んでも仕方ないだろ。そんな事言ってるとお仕置きするよ」 
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