大っ嫌いなアイツに恋をした。
「おい、お前勉強教えてやるよ」
何を思ったのか橘はいきなりそんなことを言ってきた。
「……は?間に合ってます」
何なのいきなり。
しかも上から目線。
あっさり断ると橘は怪訝そうな顔をした。
「お前っ、この俺様の授業をタダ受けれるんだぞ!それをムダにする気か!?」
「はぁ?何それ。だいたいあんたも毎時間寝てるしバカでしょ!そこまで言うなら他の子と…」
「いいじゃん。橘結構頭いいし。教えてもらおうよ!」
橘の腕を振り払おうとしたとき、愛美がやって来て言った。
頭いい?橘が?
嘘でしょ、毎時間寝てるんだよ?
でもそういえば…当てられた問題は躊躇なく答えてるよね。
「あ〜あ可哀想に。また赤点だらけだな?」
そんなことを笑いながら言われたら何も言えないじゃないか。
宮村も来るということで結局あたしは橘に勉強を教えてもらうことになった。