大っ嫌いなアイツに恋をした。



そう、全部言うと和樹は吹き出すように笑い転げる。


「お前ってちょー単純。素直じゃねぇくせにそういうとこ素直だよな。つーか何かガキ見てるみてぇで可愛いわ。で、この前七夕の短冊に何書いたんだっけ?」



「その口一生きけねぇようにすんぞバカっ」


完璧、おちょくってるだろお前。


問題起こして活動停止になってた部活なんて最近までじゃ何とも思ってなかったのに

笹原の言葉で部活戻ってさ…


アイツが振り向いてくれるように努力して…って


一人の女によ、こんなにも執着したことなかったのにな。


どうしたんだよ、俺。


そんなに笹原が好きだってことかよ。


ありえねぇな。



「つーことで、とりあえずアイツと関わんのやめるわ。んで、アイツの反応見る」


「へぇ、意気込んでんのはいいけど…明日学校終われば夏休みだからな」



……は?夏休み……


つーことは、必然的に会えないってことか!?




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