大っ嫌いなアイツに恋をした。





「あ、そうだ次の週の三連休あるだろ?その三連休でうちの柔道のみんなで合宿だからな〜」



夕食を食べながらテレビを見てゲラゲラ笑っていたお父さんは何の前触れもなく淡々と言った。



「えっ、今更!?もう寒いし、あたしは行かないからね?」



毎年、夏に合宿をしているのだが
お父さんの仕事の都合で今年は無しになったのだ。

そういや、陸はガッカリそうだったな…



「美優一人にはさせられん。お前も一緒に来ること!わかったな!」



お父さんにそう、断言され
何も言い返せなかったあたしは渋々参加することになった。




その日の日曜日は橘とデートの約束があったので正直に全て告げると……



『んじゃ、俺もその合宿行くわ』



なんて、言い出したんだ。


た、確かに、橘も柔道やってたみたいだけど
さすがにそれは無理だろう…と思ってたのに。


橘のことを随分気に入っているお父さんはあっさり二つ返事で了承。



橘もあたしと合宿に参加することになった。



まさか、あんな大バトルになるとは……考えもせずに。




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