呪い屋〜呪われし幽霊少女〜

儚げに、夢のように…


「麗奈…大丈夫かよ…」

ヒックヒックとしゃくりあげ、涙をボロボロと流す麗奈に、思わず手を回す。

手を回された肩に麗奈も手をやると、静かにすがるように握ってきた。

「お姉ちゃん…
いつも嘘つきすぎなんだって!」

悔しそうに唇を噛み締めてそう言われるも、俺はなんて返したらいいかわからない。

「それももうすぐ終わるって…
麗薇がそんなようなこと言ってたじゃないか」

「それだって嘘かもしれないじゃない!
お姉ちゃん、きっとずっと嘘つきだったんだよ!
…人を…苦しめない…優しい嘘…」

たしかにそうだと思った。

麗薇は、きっと優しい人間だ。

人間…?

うん、人間。

俺らと何も変わらなかった。

愛する者を守りたいという気持ちだってなんだって、何もかわらなかった。

なのにどうして…

生きているかそうでないかという、乗り越えられそうで乗り越えられない大きな壁が俺らを阻む…

「本当に麗薇が自殺したって信じ切ってたのか?」

「そうにきまってるじゃない!
だって…いじめられてたって…
それで屋上から落ちたなんていったら…普通に…」

言葉を濁す麗奈。

普通に自殺だと思う。

俺だってそう思はずだ。
< 104 / 167 >

この作品をシェア

pagetop