年下くんの事情
2章 冷たそうな男

麻理子は父親の携帯に電話することにした。

「0905643849・・・」
「トゥルルル・・・トゥルルル・・・」

「どうした?」麻理子の父親が電話口に出てくれた
「あっパパ? パパァ・・ う・・・どうしよう パパァー」
「なんだよ もうすぐ仕事終るから、30分後にかけてくれないか?」
「やだやだっ ちょっ・・ちょっと待ってよ! 今私ピンチなんだからっ 助けてよ パパァ」

「ん なぁんだよ ・・じゃぁ早く言いなさい。」
「はい。」

「えと・・・ 私、一人でスキーしに旅行したのね」
「なに? お前が? 聞いてないぞ。」
「あっ・・・ごめんなさいっ 止められると思って・・言わなかったの。」
「・・・いいからっ 早く続きを言いなさい!」
「あっ・・はい。 それでね、 今日22時30分に帰りのバスが来る予定だったんだけど、
私、間違えて午前中の場所で待ってしまっていたの・・それで」
言いかけて
「それで間に合わなかったのか?」
呆れぎみの声で 父に最後の言葉を取られた。
自分の不甲斐なさを麻理子はため息まじりに受け止めた。
「・・・はい。そうです。はぁ・・」
「でねっ 迎えに来てくれないかな?」
「パパの車、スタッドレス付いてないぞー。」
ハハハ バッカだなーと軽く拒否られてしまった。
「・・・・ うそん!」
パパが来てくれるなら旅館のロビーで 何時間でも待っていられるのに・・
パパが来てくれるなら どんなにか心強いだろうに・・
だが、麻理子には対策その2が残っていた、
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