誘惑~初めての男は彼氏の父~
 ・・・。


 「門限は大丈夫?」


 終わってから少し時間が経った時間、そっと尋ねられた。


 「あ・・・、バイトの日は遅くても平気です」


 「そう。じゃあもっと、こうしていようか」


 一度離れた身体を、再び抱きしめられた。


 また身体が熱を帯びる・・・。


 「素直な身体だね」


 私の反応を楽しむかのように、耳元で甘く囁く・・・。


 「水無月さんこそ」


 力強く私を抱きしめるその腕に触れた。


 「水無月は仮の名だから、和仁って呼んで」


 「水無月」とは写真家として名乗る際に使う名前で、本名ではないらしい。


 下の「和仁」と呼ぶように求められた。


 「・・・和仁さんは、どうして」


 「ん?」


 「どうして私と・・・、こんなことしたんですか?」


 「理由なんて必要?」


 「・・・」


 「あえて言えば・・・。リエが欲しいと思ったから」


 再び愛を交わした。


 「愛」という表現が正しいかどうか、その時の私には何も分からなかったけれど・・・。
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