【短編】冷たいアナタ
「どうしよう、忘れた」

左隣の人は今日は休み。

こんなときに。

前の人も後の人にも見せてもらうわけには……

全然話したことないし。


はぁ、

今日はぼーっとしてるか。


そう思ったときだった。


「ん」

右隣の男子が、あたしの机に自分の机をくっつけてきた。

「なに?」

「なに、って忘れたんだろ?教科書」

「えっ、でも……」

「ずっと、ぼーっとしてんのかよ?」

「あ、ありがと……」

結構優しいじゃん。


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