JOKER
モノクロの世界
どれくらい空牙の肩を借りていたか、わからない。


気付いた時には、倉庫はとても静かになっていた。


__グイッ__


誰かに、体を引っ張られる。


顔を上げると、そこに居たのは銀司で、、、


どうしようもない、感情が溢れてくる。


そして、、、


「銀司、、、その手で一生、あたしに触らないで」


そんな言葉を、銀司に吐き捨てる。


銀司は、辛そうに眉を細め、、、


力なく、あたしから手を離す。


「柊。こいつのこと、奈美に見せてやれ」


そう言い、銀司は静かに倉庫を後にした。


別に、奈美に見てもらう必要なんてない。


あたしはゆっくりと、痛む体を引きずるように歩みを進める。

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