キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
 

「あの、樹さん……っ?」

「……離さないから」

「……?」


不安そうな声色に首を回して樹さんのことを見ようとすると、今にも触れそうな位置に樹さんの不安そうな表情があった。


「っ!」

「……さっき、みーこが言おうとしたこと」

「え?」

「絶対許さないから」

「!!」

「……冗談でも言うなよ。別れる、なんて」

「あ、ん……っ」


私の肩を抱いていた樹さんの手が私の頬に当てられ、唇を寄せられる。

いつもとは違う、後ろからのキスに少し戸惑ってしまったけど、そのあたたかさにすぐに私の脳内はとろけていく。

壊れ物に触れるようなキスはすぐにやんだ。


「……どうして、あんなことを?結婚って言ってたけど、どこからそんな話が出てきたんだ?」

「!」

「みーこが抱えてるもの、ちゃんと全部教えて」


懇願するような声に、私は全部ちゃんと話そうと決心する。

きっと今なら冷静に話せる。

私を抱きしめる樹さんの腕に手を添えて、きゅっと掴んだ。

 
< 225 / 257 >

この作品をシェア

pagetop