キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
「……私とコタロウがここに来るの、ご迷惑ですか?」
「いやいや、決してそういうことじゃないよ!僕も本当はコタロウくんの様子をずっと見ていたいとは思っているけど……でも、今回みたいな時に近い方がいいから。突然コタロウくんの具合が悪くなることも可能性はゼロではないし」
「……先生」
「コタロウくんが怯えてどうにもならないというのなら、このままうちに来てもらうのがいいと思ったけど……そうではないようだから。どうかな?つつみぎに通うようにしてみないか?」
「……」
「もしどうしても不安があるのなら、ここに戻ってきてもらっても構わないから」
私は悩んだ。
森本先生がそんな風に言う気持ちはわかるし、ここまで言うのは何よりもコタロウを想ってのことだ。
確かにコタロウのためにもその通りにした方がいいのかもしれないけど、新しい場所はやっぱり不安だし、実際に通うようになったとしてコタロウが本当に馴染んでくれるかどうかもわからない。
今は問題はなさそうには見えるけど……。
その不安だけが私にまとわりつく。
「堤にはコタロウくんのことや今までの治療履歴や薬のこととかも僕からも伝えておくし、担当も虎谷先生にしてもらうよう言っておくから」
「……本当に大丈夫、ですかね?」
「話を聞く限りでは大丈夫だと僕は思うよ。ここより少し大きい病院になるから患者さんも多いかもしれないけど、以前堤に会いに何度か行った時には感染対策もしっかりしていていい病院だなと思ったから」
森本先生はいつものように安心感を与えてくれる笑みを私に向け、大きく頷いた。