車内恋愛。
助手席に座り、シートベルトをする。

夜に車の中で二人。
さっきのこともあるから、ドキドキ。


いつの間にか、私の家の近くまで来ていた。


「未玖の住んでるところって、コンビニの近くのマンション?」

「あ、そうです。あ、今目の前に見えてるところです。」

「じゃあ、そこまで行くよ。暗いし。」

「ありがとうございます。」


パッと目があったけどそらしてしまった。
ドキドキしちゃって、もうダメだよ。





マンションに着いた。

また助手席のドアを開けてくれる。

「はい。」

「ありがとうございます。」

目の前には旬さん。

さっき抱きしめられたときのことを思い出して、顔が熱くなる。

「次会えるのは…日曜かな。花火大会。」

「そう…ですね。」

「車だと道が混むし、電車で行こ。また、連絡する。」

「はい。」

「……」
「……」

ここでバイバイするのがさみしくて、何て言えばいいのかわからない。


「未玖…」

頭をポンポンとされる。

私、これに弱い。
口元が緩んじゃう。


すると、旬さんの顔が近づいてきた。

え、えっと…え、え、え、!?


思わず目をつぶる。



ーチュッ



「あ…」


おでこにチュッ。


かあーっと体温が上がる。


「じゃあ、また日曜日。」

「は、はいいいい〜!!」


ちゃんと返事ができない。



旬さんは私に手を振って帰って行った。



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