車内恋愛。
「お疲れ様です!久しぶりの所内はいかがでしたか?」

ロビーに戻ると柿原さんが笑顔で迎えてくれた。

「なんだか懐かしく思えました。あ、感想書きます!」

「あ、そうね。じゃあ…」

私は受付の机に座ってさらさらと感想を書いていった。

「書けました!」

「もう書けたの!?早くてびっくり。ありがとうございます!ぜひ使わせてもらいますね。」

「じゃあ、私はこれで…」
私はサッと立った。


「え、瀬口には会わないの??」

「用事….思い出しちゃったので…よろしくお伝え下さい。また来ますね、ありがとうございました。」


私はそう言って教習所を出た。





あんな場面を見たあとで普通に旬さんに会えるわけがない。



今日は私がたまたま見てしまったけど、あんなことが何回もあったら…



旬さんもまんざらでもなかったら…




今の私にはそう考えるしかなかった。


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