車内恋愛。
瀬口先生の運転は安全運転。
まさにそのもの。


2段階も先生に担当してもらえるかな。


「駅から家は近いの?」
「いえ、バスで20分くらいです。」
「けっこう遠いじゃないっすか。じゃあ教習所まで1時間くらいかかるわけか。」
「そうなんです。でも大学まで1時間半かけて行ってるから1時間なんてあっという間ですよ!」
「あぁ、そっか、そうでしたね。」

いつも送迎バスでは運転手のおじさんと二人だからスマホをいじってるけど、今日はずっと瀬口先生と話してる。


「今日はこのあと何か予定あるの?」
「バイトです…。」
帰ったらすぐに支度をして行かないとな。

「何のバイト?」
「パン屋のバイトです。」
「へぇ〜、いいじゃん。パンとかもらえそう!」
「いえ、うちの店は禁止なので、たま〜に試作品をもらえるくらいです。試食はさせてもらえますけど。」
「そうなんか!なんかパン食べたくなってくるな〜。家から近いところで働いてるん?」
「はい!家からチャリで5分です。モールの中にあるんです!」
「モール?ってことはあそこ?南の方?」
「そうです!あそこのモールのところです!」
「へぇ〜、また行ってみよかな。」

え!それは!買いに来てもらえたら嬉しすぎる!!
「ぜひぜひ!私がレジしてたらお安くしますよ?」
「それはいいな!休みの日でも行こかな。」
「お待ちしてます♫」
またミラー越しに目が合う。
それが嬉しくて。


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