車内恋愛。
そんなとき、ふと、瀬口先生の顔が浮かんだ。

何がきっかけで教官になったのかな、って。


教官としたら、ササッと免許を取って、卒業した生徒の方が嬉しいよね。
それがやりがいになるのかな。


そんなことを考えながらレジに背を向け、試食を切っていた。

「すいません、お願いします。」
「はい!いらっしゃいま…せ…。」
振り向いてお客さんの方を見ると…。








「瀬口…先…生?」
「買いに来ちゃいました。」


思わず、目をパチクリさせてしまった。

まさか、まさか、バイト先に…。
前に一度、バイトの話したけど、本当に来てくれるなんて…!!


その笑顔…ダメだって。
キュンってなっちゃうじゃん。


「何円ですか?」
「あ、すいません。えと…150円の菓子パン、170円の調理パン…。」
レジを打っているときも先生に見られてて、とても緊張しちゃう。

あ、割引…
「224円でございます。特別価格です。」
特別に3割引。
「はい、ありがとう。」

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