車内恋愛。
試験場に向かうバスには、教本を見ている人がちらほらいてた。

みんな、試験を受ける人なのかな。


試験場。

夏休みということもあり、免許の更新の人も、受験手続きの人も多い。

「こっちに並んでね〜。」
警察の人が誘導する。



まずは証紙を買って、申請書に貼る。

で、並ぶ。


その列がすごい行列。

「2枚持っててね。準備しててよ。」


スマホをいじりながら前に進む。
私は知美とLINEをしていた。

『じゃあ合格したら、告るわけね?』

って何よ、知美!

『告白なんてできるわけないじゃん!』

『その気持ち、もう伝えることができるの、今日だけだよ?まあ、合格すればの話だけど。』


確かに。
確かにそうだよね。

免許取れた、って報告したらもう教習所に用はないわけだし、先生と会えるのも最後。

気持ちを伝えるチャンスもそのときだけ。


『あとで後悔だけはしないようにね!
とにかく試験頑張れ!!』


なんだかんだ話を聞いてもらっていた知美には助かってる。

うん、頑張ろう。
とにかく、試験に受かって、免許を取る!!


「はい、じゃあ次視力検査ね。」

流れ作業で進んでいく。


「はい、オッケーです。後ろに進んでね〜。」


なんだか緊張するな〜。

「はい、これが受験票です。」
「ありがとうございます。」

私が渡された受験票の番号は、「525」だった。

試験が始まるのは12時45分。
12時35分までには教室の決められた席に着席しとかなければいけない。


だけど、今は11時。

「食堂でゆっくりしとこうかな。」


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