レンタルな関係。-続々編-(仮)
「はいこれ、差し入れだよ。お腹減ってるんじゃないかと思ってね」
「え?」
「隣でガタガタ音がしてたからさ。ああ、戻ってきたんだなと思ってね。手伝いに来てやろうかと思ったけど腰が痛くてさ。やめたんだよ」
あははっと笑う後藤さんの手には……
「蕎麦っ!!!」
が乗ったトレイが!
「後藤さんっ、それって蕎麦っ?」
「ああ、蕎麦だよ」
「蕎麦!」
「何をそんなにびっくりしてるかは分からないけどね、蕎麦だよ、蕎麦」
「やっぱり蕎麦だ!」
「そう、蕎麦」
「やったー、蕎麦だー!」
「……そんなに珍しいかい、蕎麦が。今時の若い子はおもしろいねぇ」
不思議な生き物を見る目で、しげしげと私を眺めている。