ナルシスト彼氏。
『ですから、席は真ん中の一番前がいいんです!!』




『はぁ・・・?』





先生とあたしの顔はさぞかしマヌケ顔だろう・・・。



『俺に、後ろに座れと?』





『・・・・・。好きなところに座りなさい。』



先生は結局須臣君に押され(というか圧倒され)、渋々了承した。




転校生の先生とのこんなやり取り、初めて見たんですけど・・・





それにしても何て自己中なヤツ!!




う~ん・・・



何て言うんだろう?



もっとコイツにはしっくりくる言葉があるハズなんだけど・・・






須臣君のワガママでどかされた隣の男子。



頭には?が付いている。



当たり前だよね、普通、転校生は空席に座るんだもん・・・。



かわいそうに、短い間ありがとね・・・。


とあたしは心の中で別れを告げる。




異常な光景にあっさり納得してしまうあたしもどうかと思うが、



そこはあえてつっこまない。




カタン。



隣に須臣君が座った。





『よろしくね^^ 名前は?』




とさっそく笑顔で聞いてくる須臣君。





笑顔はいいんだけどな~





・・・じゃなくて。





「桜木みゆ。よろしくね」




あたしはちょっと素っ気なく言葉を返した。



だって・・・さっきのやり取りを聞いていたら普通に喋れないよ・・・。




『そっか、みゆちゃん。俺が隣で嬉しいでしょ♪』







は・・・はぁ?


なんか・・・これからの学校生活、すっごく嫌な予感がするんですけど!!

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